ウィふりトップへ戻る
ウィふりトップページへ

佐藤厚   

【メールの全文引用はしないように】

 電子メールで相手返信をする際、元となる文章を持ち出して返事を書く「引用」という方法をしばしば使います。メーリングリストでも、この引用を使ってコメントしたり、補足情報を書いてさらに話を盛り上げたりします。
 ところが、電子メールが身近になるにつれて引用の使い方を本質的に誤解されるようになり、単に原文を最後につけるのが引用の基本あるいは電子メールのマナーと思われるようになりました。メーリングリストでも元となるメールを最後につけるのが当然と勘違いし、かえって読みづらいメールを送りつけている光景が多くなっています。
 今回は、メーリングリストのみならず電子メールの引用のしかたを振り返りながら、気持ちよくそして効率のよい返信の書き方について解説します。


引用には使い方があります。今回はそこをチェック!


電子メールの全文引用はマナーではありません

 まず最初にこれだけはしっかりとおさえておいてください。電子メールを使った連絡で、自分の書いた返事の後に元となるメールを丸ごとすべてつけて送る全文引用という行為は電子メールのマナーでも基本でもありません。最近、こうした全文引用をするのが電子メールの当然のマナーと勘違いされるようになり、むしろこうした行為をしない方が悪いと豪語する人も多くなってきました。その理由として、何の用件で送ったのかわからないためといわれています。なかには、全文引用は相手が何の用件で送ったメールかわからないなどのクレームに対して自分には問題はないといった責任回避のための当然の手段といった、本来の目的からはずれた形式的な大義名分となっているケースまであります。こうした風潮が日に日に蔓延するようになっており、電子メールによる業務連絡の非効率さに疑問を投げ打つ声も聞かれるようになっています。

 電子メールの本来の目的は自分の意志を相手に伝えるための連絡手段であり、それを相手に簡潔に効率よく、そしてわかりやすく的確かつ確実に伝えるのが本質です。そのために、わざわざ元の文章を全文載せることが必要でしょうか?さらにいえば、ふつうの手紙や通達文書で同じことをするでしょうか?しませんよね。電子メールも同じなのです。それを電子メールに特別な見方をもってしまい、返信をするときは全文をつけるものと勘違いされているのです。また、返信メールを書く際にメーラが元の文を表示するため、残しておかなければいけないものと思われがちですが、そうではありません。編集用に表示され自分で加工しなければならないのです。

 電子メールによる連絡は形式ではなく相手に伝える気持ちが大切であることを心がけるようにしましょう。おのずと、無駄な引用はしなくなります。全文引用のメールは、いかに相手に配慮をしていない一方的な押しつけメールになるかしだいに気がつくはずです。ビジネスでも、できる人ほど全文引用を使っていません。常に簡潔で的確な表現で文章をまとめています。メーリングリストでは、読みやすいメール作りがコミュニケーションを楽しくするテクニックとして必要となります。それができる人ほどメーリングリストでたくさんの友達ができるようになります。

以下は引用の例です、黒字が返信の文章。青い字が引用した文章です。

○全文引用の例
わかりました。

>件名:定例ミーティングのお知らせ
>
>>幹事です。
>
>下記の通り、定例ミーティングを開きます。この日はスケジュールを空けておいてください。
>
>定例ミーティング
>日時:○月×日 午後3時から5時
>場所:第一会議室
>議題:新製品プロジェクトの進行状況確認など
>   ○○部長もオブザーバーとして出席します。
>
>毎回恒例の懇親会もばっちり準備していますのでご安心を。「×△居酒屋」を予約しました。
>今回は期間限定のスペシャルコースで頼んであるので、じゃんじゃん盛り上がりましょう。
>
>確認のため、出欠の返信をお願いします。
無用な引用は用件をつかみにくくさせ、相手に負担をかけてしまいます。

○読みやすいメールの例
幹事 様

チームリーダーの○○です。定例ミーティングの調整いつもご苦労様です。


>定例ミーティング
>日時:○月×日 午後3時から5時
>場所:第一会議室
>議題:新製品プロジェクトの進行状況確認など
>   ○○部長もオブザーバーとして出席します。

わかりました。必ず出席します。
簡潔にまとめれば要件がすぐに読み取れます。


引用は必要部分だけを用いるように

 元のメールを引用するのは返答を的確に述べるときに大変便利です。しかし、あまり長すぎる引用はどの部分に対する返事なのかつかめず、何を主張したいのか読みとりにくくなります。そして、引用と主張がかみ合わないと誤解を生みやすくなります。相手も長い引用を読まされるのは負担となり、その後のメッセージがそっけない内容であれば何のために引用したのか理解できず不愉快な思いをします。
たとえば、全文丸ごと引用して「そう思います」の一言だけのメールは相手をがっかりさせます。 引用をするときは、自分が返答したい内容に関連する部分だけを取り出すのがもっとも効果的で相手にも伝わりやすくなります。引用はできる限り短く、できれば6〜7行程度がよいでしょう。


引用に終始しないように

 何でも引用して返答するだけのメールも時には読みにくくなります。たとえば各段落ごとに引用して返答を繰り返すようなケースです。気がつくと相手のメールを全文使っていたなんてこともありがちです。引用は便利ですが、多用しすぎるのは禁物です。無理に引用しなくてよい箇所は自分の言葉で簡潔にまとめる方が相手に親切な返答になります。


メーリングリストでは全文引用は御法度!

 通常の電子メールでのやりとり以上に、メーリングリストでは全文引用をしないようにしています。メーリングリストはメッセージ交換に近い形でメールのやりとりが行われています。元となるメールの内容は常に把握しており、わざわざ同じものを読まされるのはかえって苦痛になります。返信のたびにこうした全文引用の繰り返しをされればメールを読む気力すら薄れてしまいます。ちりも積もれば山となるように、全文引用ばかりのメールがたくさん流れればそれを読む込むのにも時間がかかり、メーリングリスト参加者に無用なストレスを与えます。電子メールは全文引用が必然と思っている人がこうした行為をするケースが多く、メーリングリストで生じる参加者間の衝突の火種となっています。
 メーリングリストでは全文引用は特に敬遠されていますので、メールを出す際にあらかじめ心得ておくようにしましょう。お互い読みやすいメールを出し合っていくのがメーリングリストで楽しいコミュニケーションをするエチケットです。




 最後に、メールの引用は「すればよい」のではありません。相手に読みやすいように「工夫して書く」のが大切なのです。電子メールでやりとりするのはマニュアルや形式で成り立つものではありません。相手に配慮したメッセージ作りこそが重要なのです。わかりやすいメールほど相手も自分に好印象をもって接してくれます。それがコミュニケーションで大事な要素となることをこの機会にぜひ心にとどめておくとよいでしょう。

▽メールの引用に関して詳しいアドバイスをまとめてあります。
「メーリングリストビギナーズコラム」
http://www.kt.rim.or.jp/~atsato/beginer/


「引用・返信のしかた」
http://www.kt.rim.or.jp/~atsato/beginer/part5/reply.html
●これまでのえむえる教室はココを見てね。
What’sウィふり 今週のメルマガ どちらでSHOW! ウィふり調査団 くるくるパーク1.5
あっ!